先日私の実家に帰省したら、妹一家はまだ来ていないのに、妹夫の両親とC子さんが酒を飲みながら大騒ぎしていた。
C子さんは妹夫の姉妹で、私と同じ高校出身で同学年。
（一緒のクラスになったことが一度もないし、当時全く関わりがなかった。）
高校時代のことなんて思い出したくない私と異なり、C子さんは「高校時代が一番楽しかった！」らしい。
「〇〇君はね～、今大阪にいるらしいよ。」
「△△先生、覚えてる？2年前の同窓会に呼んだんだけどさ～」
と話しかけてくれるものの、同級生の名前すらよく覚えておらず先生の近況も特に興味がない。
共通の友人がいるわけでもないので、知らない人の名前を次々に出されてもなぁ。
C子さんと話をしたくないので、ついつい台所に逃げて準備をしているフリをしてしまった。
シンクに溜まったままの、私の両親の朝食の残骸を片付けようと食器洗いを始めた。
マグカップを洗っている時、突然私の肩に手が…びっくりしてマグカップを落としてしまった。
振り返るとC子さん、私の肩を揉んで「ねぇ、向こうでお酒飲んで話そうよ。」
C子さんが苦手な理由は、距離感が近くて異様に身体的な接触が多いこと。
妹達の結納で顔を合わせた時には、「大っきくなったね～。」と言って突然抱きつかれた。
結婚式の親族紹介の場ではセットしてもらった髪の毛をわしゃわしゃ触って「これ自分の髪飾りなの？」
挨拶代わりに「ちっちゃいね。かわいいね。」と言われながら頭を撫でられるのも、毎度嫌になる。
母も妹も、父方母方の両祖母も高身長な女性が揃っている中にあって、私一人身長が低いことに子どもの頃から悩んできた。
そんなに何度も小さい小さいって言わなくてもいいじゃないか、とC子さんを疎ましく感じてしまう。
同い年だからと言って無条件に親しみを感じるわけではないし、妹の義妹であると思うと「やめてください」と強い言葉で伝えるわけにもいかない。
頻繁に顔を合わせる機会があるわけでもないのに、なぜ兄弟同士が結婚したというだけでこんなに距離感が近くなってしまうのだろう。
どうしてこんなにベタベタと触ってくるのだろう。
私の妹にはここまで触れることはないようだ。
「背が低いからって見下されているんだろうか？」と、そんな見方をしてしまう。
穿ち過ぎかもしれないけれど、身長に関して私は色々こじらせているので…
食器洗いを終えて戻ると、リビングはお酒の匂いが充満していた。
離れた場所を選んだのに、すぐにほろ酔いのC子さんが私の隣に座って腕をガシッと掴んできた。
「文乃が住んでいる県に✕✕って場所あるでしょ？この前ネットで見たよ。行ってみたい～」
すかさず私の父が話に入ってきた。
「C子さんは文乃のところに泊まればいいよ。車じゃないと行きにくい場所だから、文乃に連れて行ってもらえばいい。」
リビングに居る皆に聞こえるように、わざと大きな声でそんなことを言う。
C子さんとその両親の機嫌をとるために、私のことを差し出した父。
昔っから父はこういう人じゃないか…と分かっているのだけれど、今回は怒りよりも悲しみが溢れてきてしまった。
他にもいろいろあって、夕方実家を出て高速道路を運転中にどうしようもなくなって、PAの駐車場で号泣。
