話し相手は夫だけ

私の実家はリビングが家の奥の方にある。
お客様を迎えると玄関から長い廊下を歩いて行くことになる。

その長い廊下にギャラリーを作ったのは、私の妹が大学生頃のことだろうか。

妹、妹夫、その子供、私の両親祖父母の写真が飾ってある。
私や、私達夫婦の写真はない。
あ、妹の結婚式に親族として写っているのがあるか・・・


両親（特に母）は、
華やかというイメージのある大学に進学して、
入学式には大学名の入った校門前で行列に並んで写真を撮り、
母の世代の芸能人カップルが挙げた場所で結婚式を挙げ、
披露宴には200近くの人を招待して、
産土神ではないのに有名な神社で子供のお宮参りをする、
各各派手な衣装を着て、
バッチリ写真を撮る妹が大好きだ。


「あら、お嬢さん○○大学なの？」
「ここで結婚式挙げたいと、若い頃憧れてたわ～」
「今結婚式にこんなにたくさん招待できる人いないわよ。お婿さんの家は会社か何かやってるの？」
実家に訪ねてきた人が写真を見て、そう言われると母は本当に嬉しそうだ。
私は結婚してから遠くに離れて住んでいるが、わざわざ毎回電話をしてくるほどである。

妹の夫とその家族も派手な事柄が好きな方々なので、結婚後更に色々エスカレートしている。
対して私は、「何でもかんでもとにかく親になった甲斐がない」とのこと。
もうこれは、好きなものが根本的に違っていて、価値観が異なるのだからどうしようもない。
私と母は相性が合わない、妹と母は相性が合う、だけのことだ。

と、自分で思い込みたい。そう思えるように頑張りたい。