小学3年生から4年生までの2年間、日本舞踊を習っていた。

隣の家に住んでいた幼馴染に誘われたことがきっかけだ。
幼馴染の大叔母が日本舞踊の先生で、
「教室で習っている子供が自分だけなので、文乃も一緒に行こう!」
と言われて通い始めた。
送迎は幼馴染の母が全てしてくれていた。
教室までの距離が遠かったので、月に1~2回のお稽古だった。


私は日本舞踊について何も知らないまま習い始めた。
同じことを何度も繰り返すこと、
着物の袖や指先で細やかな表現をすること、
顔の表情を大きく使わなくて良いこと(笑)、
など当時の私の性格にあっていたようで、
幼馴染のついでに始めたのに結構はまってしまった。

自宅でも一人でおさらいをしていたし、
教室に行くのが待ち遠しかった。


教室の発表会にも出してもらった。
子供は幼馴染と私の二人だけ、
それ以外は50代以上の方々だったので、
幕が上がってから踊って舞台から捌けるまで
ずっと拍手が鳴り止まない状態だった。
着付け・メイクなどの準備中から「かわいいかわいい」とチヤホヤされていた。
今考えてみるととても貴重な経験だったなと思う。

私の母はこの習い事に関しては完全にノータッチ、
発表会の時にも私の家族は一人も来場せず
幼馴染の母が全て面倒をみてくれていた。
それでも全く寂しいと感じないほど、
発表会ではたくさんの大人が構ってくれた。


お稽古で習っていたのは、「絵日傘」「花かげ」「花嫁人形」「人形」などなど。
小さい頃に繰り返し見たディズニー映画やおとぎ話などでは結婚式が晴れ晴れとしたクライマックスとして描かれていた。
お稽古で使われる歌の中では花嫁御寮が泣いていたり、
結婚して嫁に行ったねえやを思って悲しんでいたりしている。
結婚するということに対する考え方の違いにとても驚いたことを覚えている。


小学校の高学年になると幼馴染は学校のクラブ活動に忙しくなり、
お稽古に通うことがなくなった。
私は続けたかったのだが、
送迎の問題や両親がこの習い事に熱心でなかったこともあり、
幼馴染とともにやめてしまった。



昨年の片付けでは、お稽古で使っていた歌の入ったカセットテープと発表会の時の8mmビデオテープが出てきた。
カセットテープはテープが伸びていて、
カビで一部劣化していたのですぐに捨てた。
幼馴染の父が撮影してくれていた8mmビデオテープは、
迷いに迷って結局捨てられなかった。
ビデオテープをDVDにしてくれるというサービスもあるようで、
どうしようかといまだに悩んでいるところだ。


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